ねこものがたり

いちにちいっぽ

駆け出し観る将が感じる「将棋は実質Ruby」という話

これはRubyist近況[1] Advent Calendar 20211日目のエントリーです。私の近況を報告します。

自分の近況は「2021年は将棋と出会いました」というものですが、そんな一言じゃおさまりきらない思いを書いていきます。ぜひ最後まで読んでください。そして共に将棋を楽しみましょう!「実質Ruby」の使い方が間違っていそうだとか気にせず行きます!

neko314と将棋の出会い

ひょんなことから将棋の楽しさを知りました。

きっかけは今年の4月に「もうすぐABEMAトーナメント*1が始まるんですよ」と教えてもらったことでした。 その時の私は、駒の動きもわかっていない無知な状態だったのですが、その会話の少し前に知ったこちらの目隠し詰将棋の動画を見て「全然わからんけれどもすごいことだけは分かる!!!!」という、震えるような感動が余韻が心の片隅に残っている状態でもありました。 www.youtube.com

そんなわけで「ABEMAトーナメントが始まる」という話の時に、その余韻から静かに細く弱く出続けてはいた「将棋ってちゃんと分かるとおもしろそうだよな」という気持ちがちょっと高まり「見てみようかな」という興味が生まれました。 その頃マイホームを建てるための用事でひたすら週末が埋まっていたので、毎週土曜日に解放される放送をしばらくタイムリーには見れない週が続きました。用事を消化していく中で、ようやく落ち着いて最初から最後まで見れる日が来ました。

その日のカードがチーム羽生vsチーム木村でした。

今の自分だったら他のチームの戦いも十分楽しめると思います。でもこの2チームの対戦は特にドラマがありすぎて初心者の心を掴む要素が溢れていたと今振り返っても感じています。この対局でなかったら「将棋、やっぱようわからんわ」とそこで終了していたかもしれません。そういう意味で、初めてまともに見た対決がこの戦いだったのは奇跡であり運命でした。

とにかくこの対戦で感じた迫力とストーリーに魅了され、今では来年の女流アマ名人戦に出て1勝したいと思ってみたり、会社のSlackにぴよりん*2絵文字を追加したりする人間になっていきました。

なぜ「将棋は実質Ruby」なのか

ここからが本題です! 自分が、将棋とRubyの「同じじゃん」と思っているところを挙げていきます。

キメると気持ちいい

Rubyistの皆さん、Rubyキメてますか?

私はまだまだ何も知らないRubyistのはしくれですが、「こんなふうに書けばいけると思う」と直感的に書けて動かせる楽しさと、書き上げた瞬間や動いた瞬間の「よっし!」って思う感じがとっても好きです。

特にメタプロは最高ですね。

今年ようやく、本とか人のコードとかではなく、自分で自分がやりたいことをやるためにメタプロをしてみました。

それがもうめちゃくちゃ楽しくて「難しい!!!けど楽しい!!!寝るのが惜しい!!」と高揚感で満たされ病みつきになる体験をしてしまいました...。 ただただ知識として「メタプロと呼ばれる"力"があってな...」と受け身だった時にはわからなかった楽しさでした。

今年Ruby楽しいと思う気持ちがほんと強まりました。 元々好きだったけど、もういよいいよRuby無くては生きていけません。

Rubyでお仕事できているのも幸せとしか言いようがありません。 こんなに幸せでいいんでしょうか...!

一方、将棋はどうでしょうか。

この記事は「観る将」とタイトルにあるけど、ここから先は指す時のお話です。 観る将歴は半年くらいですが、自分でも指してみるようになったのはここ1ヶ月弱のことです。 なので真価の1億分の1くらいしか感じられていないのだろうと思いますが、それでも「キメると気持ちいい」って思った瞬間がありました。

それが「手筋*3」と呼ばれる手を指した時です。 私が初めて快感を感じたのは「叩きの歩*4」を(そうとは知らなかったけど)相手の飛車の前に指した時です。この時は「この歩を取ったら金を取る、取らなければこの歩で飛車をとるぞ」というような局面だったように記憶しています。

手筋については今は全然覚えていなくて「叩きの歩」「底歩*5」「ふんどしの桂 *6 」あたりを覚えた程度です。 でも手筋を覚えたら確実にもっともっと強くなれるはずなので、場面場面で使える手筋を学んで、加速度的なスピードで上達しよう!初段を目指している人が読むべき手筋・格言棋書|将棋コラム|日本将棋連盟とそこで紹介されている書籍を参考に、1つ1つ習得して戦いに生かしていこうと思っています。

というわけで、将棋もRubyも、キメると気持ちいい。

将棋は実質Rubyですね!

人と物語

Rubyには「るびま」という最高のコンテンツがあります。 magazine.rubyist.net またRubyKaigiという最高のカンファレンスがあります。 これを読んだり参加したりして私が感じるのは、技術的な知見の塊ということ以上に、Rubyを作っている人・使っている人の人生や人柄、そして積み重なってきたRubyの歴史です。 何にでも当てはまることではあるんですが、人の顔がよりはっきりと見えるようになりRubyって人の営みの産物だなという感動が生まれます*7

一方、将棋はどうでしょうか。

語り始めるのたくさんあるので、上述の私が将棋に目覚めるきっかけになったABEMAトーナメントの話題に絞ります。

チーム羽生の構成メンバーは、羽生善治さん*8(羽生さん)、中村太地さん*9(太地さん)、佐藤紳哉さん*10(さとしん)。

対するチーム木村のメンバーは、木村一基さん*11(木村さん)、池永天志さん*12(てんてん)、佐々木勇気さん*13(勇気さん)。

()内は彼らのあだ名、あるは私が普段使っている呼び名です。このエントリーは私の近況報告なので、この先はそちらを使用します。

先に、参考情報として日本将棋連盟のサイトに掲載されている同対戦についてのコラムを貼っておきます。

www.shogi.or.jp

自分が特に引き込まれたのは対局でいうと羽生さんと勇気さんの2局でした。将棋わからん私でも流石に「羽生善治」という名前は知っているわけですよ。「羽生」って2文字は「はぶ」って読むような世代です。将棋はわからないけど、羽生さんがやたら強いということだけは知っている。 その羽生さんに勇気さんが勝つんですよね。まずそこで「おおおお(全然わからんけど、これは絶対すごいことだ!!!)」となるわけです。 その後もう一局やることになります。時間も局面も勇気さんが優勢で終盤に差し掛かります。その状況でも羽生さんは表情も姿勢も変えず、淡々と(しているように見えている)指して、確実に状況を打開していきます。一方の勇気さんは明らかに焦り始めていました。受けたり時間を稼いだりして粘りますが、羽生さんが寄せ切って逆転勝利します。

私にとってはこの2局がワンセットでドラマが深まりました。片方の対局でも十分すぎる見応えがあるんですが、1局目があってからの2局目、というのがいい。最高です。勇気さんの勝利も、羽生さんのリベンジも良かった。

チーム羽生vsチーム木村の対戦全体ではもっともっと語れることがあります。 語り尽くすと文字数が大変厳しいことになるので要約すると、チーム木村側では優秀な若者・てんてんの活躍、顔に出るタイプの勇気さんのマジになった時の目と差す手の迫力、その二人を見守る「思いっきりやっておいで」とドーンとしている木村さんの理想の上司加減。チーム羽生は太地さんの3連戦3連勝、羽生さんの神っぷり*14、その中で光るさとしん*15のキャラ。

そして今では私の推し棋士である豊島将之さん率いるチーム豊島との三つ巴状態からのプレーオフ....アツすぎでした*16

とにかく楽しい

最近読んだ将棋にまつわる記事で素敵なものはたくさんありますが、私の押し棋士・とよぴーのこちらの記事が最高です。 とても好きでたまに読み返しては一人震えています。

news.yahoo.co.jp

特にここ。

「将棋は本当に楽しいです」

 そこで一呼吸をおいて、少しはにかみながら、こう続けました。

「昨日負けた私が言うのですから、間違いないと思います」

この部分「Ruby」でも言えそうじゃないですか? 何か思うように行かなかったり失敗したりいきづまったりするときがあっても、Rubyは本当に楽しい。

と、置き換えて読もうものなら、もう涙なしには読めなくないですか?(伝われ)

将棋は本当に楽しい。 Rubyは本当に楽しい。

まとめ

将棋は実質Rubyですね!!!!

2022年、将棋もRubyも引き続き楽しんでいこうと思います。

以上、私の近況報告でした。

*1:https://www.shogi.or.jp/match/abematv/

*2:名古屋の新名物スイーツ ぴよりん|公式サイト

*3:手筋 - 将棋用語説明|将棋講座ドットコム

*4: 叩きの歩:将棋手筋解説|将棋講座ドットコム

*5: 底歩:将棋手筋解説|将棋講座ドットコム

*6: ふんどしの桂:将棋手筋解説|将棋講座ドットコム

*7:同様に私自身は当たり前のように「Rubyコミュティーっていいな。楽しいな」と感じて愛でているRubyコミュニティーにも歴史があり、苦心や試みが積み重なって今の居心地の良さに至っているとも感じて感謝の気持ちをあたらにするばかり。というのも話し始めると長くなるのでここまで。

*8:羽生善治|棋士データベース|日本将棋連盟

*9:中村太地|棋士データベース|日本将棋連盟

*10:佐藤紳哉|棋士データベース|日本将棋連盟

*11:木村一基|棋士データベース|日本将棋連盟

*12:池永天志|棋士データベース|日本将棋連盟

*13:佐々木勇気|棋士データベース|日本将棋連盟

*14:強さという意味でも神々しさを感じました。それだけでなく、このトーナメントのルールの考案は羽生さんらしいのですが、一出場者としてもすごく楽しんでいそうに見えたし考案者としてもトーナメントの様子を眺めて「将棋はやっぱりいいな」と思っていそうにTV越しに感じていました。私は神の遊びじゃんって心の中で思っていました(いい意味)

*15:チーム羽生vsチーム豊島の時にとよぴーとあたらなかったのが残念でした。 参考:「豊島?強いよね」まとめ - YouTube

*16:このお話はまた後日。というかABEMAに課金すればいつでも見れるからみなさん今すぐ見て! 第4回ABEMAトーナメント - ドラフト (将棋) | 無料動画・見逃し配信を見るなら | ABEMA