ねこものがたり

いちにちいっぽ

『嫌われる勇気』と『ライトついてますか』を読みました

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感想

別々の文脈でこの2冊を読んだのですが、共通して感じだことが「切り分ける」という物事の扱い方が自分がこれから身につけていく必要のあるスキルだということです。

昔、キャリアコンサルタントの資格をとるときにロールプレイング試験があるのだけど、それがどうしても苦手で『プロカウンセラーの聞く技術』という本を読んだことがありました。その時は完全にカウンセリングスキルのメタ認知のための読書だったけれど、それを読んだ結果、「自分は他者の言動に入り込みすぎる」という気づきがあり、憑依しすぎない(カウンセリング文脈で言うと、辛い相談内容のときに自分まで辛さに飲み込まれないようにする、みたいな感じ)ことを練習して、できるようになった経験がありました。

今回上述した2冊を読んで、その時と似たような感覚を覚えました。

もうちょっと具体的に書くと、仕事で自分の開発しているプロダクトを使っている顧客から「こういうことができなくて不便だ」との声が寄せられた時に、「不便だ」と言うワードだけを聞いて「不便!それは大変だ」と早計に思ってしまったり、意識して背景を聞いたとしても「で、それは誰が困っているの?」と後日改めて考えてみると答えが不明確だと気づいたり。「不便だ」と言う感想を受け止めること自体は悪いことではないけれど、何かを解決したり解消したりしたかったら不便さを受け取ってそこから出発している自分から一歩離れて、「それは問題なのか」「問題だとしたら、誰の問題なのか」とか「登場人物は誰か」みたいなことを整理できるようにならなければ、建設的で真に価値のある仕事はできないなと思います。(実際、日々の業務で痛感しています)

『嫌われる勇気』の方にそういう課題分析や課題解決のことが書いてあるわけではないけれど、他者と自分を切り離すことが書いてあり、それは課題解決の根底にもなる話かなーと感じたところです。『嫌われる勇気』自体は人生論みたいなもので、もっと別の角度、特にプライベートな事柄やこれまでの生き方について色々内省した点もありますが、省略。

「正しく課題分析・課題解決できないと良い仕事ができない」と上に述べましたが、自分は大学卒業してからプログラマーになるまで10年間ずっと非正規雇用で、(正確には雇用形態は関係ないんだけれど当時の職場の体制が)非正規だと意見やアイディアがあってもいう権利もない立場(思うことを言ったら邪魔がられたりしていた)だったので、その頃はいかに自我を殺して言われたことをやるかというのが大事で、「課題解決」みたいな観点がなかったと言っても良いです。 プログラマーになってからは感じたことはありましたが、必要に迫られたことはなく、今振り返ってみればそういう難しいことは上の人たちがやってくれていた気がしています。 そう考えると、一般的には私の年齢では経験もスキルも豊富であるべきなんでしょうが全くそうではない現状があり、それは多分事実としてこういう職業経験からだといえそうです。

しかし今は、スキルの不足を痛感していて、身につけたいと思っているわけです。 「私は過去がこうだったし今もうこんな歳だし」みたいな言い訳もする余地がないような日々にしたい、それは誰かに言われたからではなく自分がそうしたいからで、自分がやるかやらないかだと思っています。「思ったから明日からできる」わけではないけれど、来年の今頃とか、数年後に「去年はこんなこと考えてたなー」って思えていたいです。